□KAMMENNYI TSVETOK(カーミニ ツヴィートク)について□


"KAMMENNYI TSVETOK"は私nutmegの鉱物蒐集と自然に関する話題を扱っている趣味のサイトです。
典型的文系人間のため、鉱物に関しては純粋な自然科学的な興味と古来から伝えられて来た石の持つ神秘性や象徴性の両面に対して同じ位興味を持っています。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました、私が愛する「石の花」達の魅力を少しでもお伝えできればと思います。


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2004/01/01//Thu.
ニュージーランド旅行記6-ミルフォードサウンド

この旅行の計画者は同行のKだ、元々自然大好きなのだがThe Lord of the Ringsの大ファンでもある彼女はぜひロケ地を観てみたいとこの旅行を計画したのだ。この日は早朝にホテルを出発、世界遺産フィヨルドランド国立公園の中に有るミルフォード・サウンドへ向かう




早朝の集合に眠い眼を擦りながらバスに乗り込む、このツアーを企画するrealjourny社のバスは周囲が観やすい様に座席が外側に傾斜がつき、天井部分もガラスになっている。
Kは車内で貰ったオプションツアーのパンフの中にLOTRのロケ地めぐりの飛行機ツアーを見つけ、何とか組み込めないかと思案して居た。
しかしこのツアーの後では時間的に難しい、添乗員さんに相談すると帰りにセスナに乗って帰れば、ガイド無しだがほぼ同じコースを飛ぶとアドバイスしてくれた。
マウント・クックで飛行機に乗れなかったKは是非乗りたいと言う、それに帰りの時間を大きく短縮出来るのだ。(バスだと5時間だがフライトだと40分で着いてしまう)
これも天候次第と言う事だが、とりあえず予約を入れてみる事にした。


クイーンズタウンを離れると、周囲の風景はのどかな牧場風景が多くなってくる。
羊と人間の割り合いが1:10と“羊の国”の印象の強いNZだが、近年は売価の安い羊肉から欧米でヘルシーで良いと人気が出てきている鹿に切り替える牧場も多いそうで、車窓から観ていると沢山の羊の牧場と共に、茶色の鹿を放牧している牧場も眼についた。
羊の種類は平地ではロムニー種がメイン、マウント・クック周辺など寒冷の高地では高級羊毛用のメリノ種が飼育されている。


ひたすら牧草を食べている羊達を眺めているうちについうとうとしてしまう、気が付くと湖畔の町ティアナウに着いていた。
NZでは町の名物が大きなモニュメントになって建てられている事が多い、魚釣りで有名な町は巨大な魚、果物で知られる町はフルーツのモニュメントが建っていて非常に分かりやすい。
ティアナウの町のモニュメントは飛べない鳥タカへだ、一度絶滅したと思われたタカへ(フィヨルドランドの入り口である此所ティアナウでも人口飼育されているタカヘを見る事が出来る。)は1948年にフィヨルドランドで生存が確認された、再発見の知らせに国中が沸き立ったそうである。


ティアナウを過ぎるといよいよ国立公園の中へと入る、左右にマヌカ・ハニーやハーブで知られるマヌカ(ティーツリ)の林が広がる。
この辺りからだんだんと天候が怪しくなって来た、フィヨルドランドは世界でもっとも雨の多い地帯の一つなのだ。
ミルフォード・ロードと呼ばれるミルフォード・サウンドへ抜ける唯一のルートをバスはひたすらに走って行く、左右の風景はそれまでとは違う雨林地帯特有のものに変わっていった。
銀色がかった白色の幹をもつ“シルバー・ビーチ”、[]木々[]に絡まる蔦類、木の下には大きな羊歯(羊歯(シダ)はNZを象徴する植物、特にシルバーファーンと呼ばれる羊歯をデザイン化したマークはラグビーチームALLBLACKSのマークを始め様々な場所で見受けられた)鮮やかな色彩のフューシャの花も見える。
途中ルピナスの花が咲き乱れる場所で休憩を取った、ルピナスは外来種だがNZの気候に合うらしく旅の途中あちらこちらで見かけたが、此所の花は他所より一段と色鮮やかで美しかった。


ルピナス

群生するルピナスの花




国立公園の奥に入れば入る程、天候は悪化していく、終に雨が降ってきてしまった。
眼下に氷河特有の地形であるU字渓谷ホリフォード谷の雄大な景色が見えて来た、周囲の岸壁には雨の為に出来たカスケード(雨水などで生じた一時的な滝)が幾筋も見える。
ホーマートンネルを抜けると、クレドウ川の急流が生み出した奇景キャズムを見学するため途中下車した。
駐車場から奥に入ると、雨林を一周15分位で散策出来るミニハイキングコースを歩く事ができる、順路を外れると危険な所も有るので注意して進んで行った。
雨林地帯特有の木の様に巨大な羊歯が繁り、木漏れ日のなか植物が生き生きとした緑を見せてくれた。


吊り橋を渡りながら下を覗き込むと、水煙の中に穴だらけの奇妙な形の岩が見える、キャズム(The Chasm)とはラテン語で「口を開けた窪み」の意味、クレドウ川の急流が小石を運び、巨岩を侵食してこの奇妙な景色を生み出したのだ。
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キャズム


バスに乗り込むと次はいよいよミルフォード・サウンドだ。(ミルフォード・サウンドの「サウンド」とは潮流の浸食で造られた入り江の事、ミルフォードの入り江は氷河に因る浸食なので本来はフィヨルドと呼ぶ方が正しい。)
それにしても雨足がだんだん強くなって行くのが気になる。
遊覧船の波止場についた頃には周囲は霧に覆われ、パンフレットなどで有名な入り江の風景は水墨画の世界そのものになっていた。
霧と雨の中を遊覧船は複雑なフィヨルドの入り江を進んで行く、周囲の風景をもっと良く見ようと甲板に出たが、予想以上に強い風と雨に押し戻されてしまう。
途中船はこの遊覧コースのハイライトであるスターリン滝(Stirling Falls)の真下を通った、雨の所為で勢いを得た滝を滝つぼの下から眺めるのだから大迫力だ、船の乗客から一斉に歓声が上がった。
アナウンス(英、日、韓の各国語で流される)が流れたので脇に見える巨岩の方を眺めると数匹のオットセイ(正式にはNew Zealand Fur Seal)が昼寝していた。


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ミルフォード・サウンド


観光を終えて遊覧船を降りると、添乗員の人からこの天候でセスナは飛べないとの知らせを受ける、セスナを予約していても中止の場合は、行きのバスに乗ってクイーンズタウンに帰る事が出来る、しかし帰路は5時間かかるので、計画していたクイーンズタウン周辺の散策は難しくなってしまった。


結局、この後はクイーンズタウンで買い物と食事だけをして、ホテルに戻ることにした。
この日は元旦、予約していたシーフードレストランの席に着くと小さなプレゼントが置いてある、中を開ける可愛いおもちゃが入っていて、正月から少し得をした気分。


ホテルに戻りKが町で買って来たLOTRのロケ本を読んでいたら、やはり湖上に見えていた半島(この半島にあるディアパークと呼ばれる公園がロケ地だった)とリマーカブルズ山脈は「二つの塔」のロケ地であった。
しかし明日はもうオークランドへ移動なのだ、Kはひどく残念がりもう一度『絶対ここに来る』と意気込んでいた。
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