□KAMMENNYI TSVETOK(カーミニ ツヴィートク)について□


"KAMMENNYI TSVETOK"は私nutmegの鉱物蒐集と自然に関する話題を扱っている趣味のサイトです。
典型的文系人間のため、鉱物に関しては純粋な自然科学的な興味と古来から伝えられて来た石の持つ神秘性や象徴性の両面に対して同じ位興味を持っています。 サイト名は真の美しさを求め石の花を追い求める石工を描いたロシアの作家パーヴェル・バショーフの小説集の題名「石の花」のロシア語表記から採りました、私が愛する「石の花」達の魅力を少しでもお伝えできればと思います。


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2005/02/13//Sun.
翡翠展
国立科学博物館の翡翠展、閉会ギリギリでやっと観ました。
国産JEDEITEの紹介を主旨とした展示会であるらしく、糸魚川の翡翠原石や古墳から出土した古代の翡翠勾玉など数多くが出品されており、国産鉱物ならではの素朴な美しさが記憶に残りました。
個人的に嬉しかったのは糸魚川産の翡翠原石に触れた事、翡翠程触ってみたくなる石も少ないと思うのです。
それにしても縄文や古墳時代にあれ程愛された珍重された翡翠の勾玉文化が奈良時代以降絶えてしまった事は非常に興味深い、やはり同展のカタログで考察されている様に古代の呪具として捉えられていた為に宝石として見られていなかったのだろうか?


国産硬玉翡翠に的を絞った展示会なのでニュージーランドや中国の軟玉文化の説明や展示品の扱いが少ないのは仕方が無いのですが、欲を言えば中途半端に清朝の軟玉の工芸品を並べるならもう一つの硬玉文化である南米のオルテカやマヤの硬玉の工芸品が観たい気もしました。


普段まず目にする事が出来ない国産の琅かん翡翠から翡翠の類似石まで展示され総合的に翡翠を学ぶには最適な素晴らしい展示会でした。
2005/02/01//Tue.
第16回国際宝飾展IJT2005
1/26〜1/29の4日間、宝飾業界最大の展示会IJTが今年も開催されました。
これが有った為に先週はてんてこ舞い、華麗にディスプレイされた宝石の輝きの裏には、完成までに携わったデザイナー、職人、その他スタッフの血と汗と涙が秘められているのです(泪)
それはさておき、IJTは東京ドーム3.3倍のスペースに1350社が出展という巨大イベント、二つに分けられた会場はすでに巨大な迷路です。
今年の話題は何と言ってもA会場の1/4を占める巨大な「ダイヤモンドワールド」でしょう、DTC(Diamond Trading Company=De Beers)傘下の32社をはじめとして、今回初参加のロシア(Sakha共和国=Yakut)のALROSA(同社のDiamondの採掘量は全ロシアの採掘量の約99%を占める)カナダのBHPと、ダイヤモンド業界を代表する世界各国の企業が集まり大変に大掛かりなものでした、不況と言えども日本市場は未だ海外の業者にとって充分魅力があるようです。
このパビリオン周辺だけでも、どれくらいの金額のダイヤが集っているかを想像すると思わず頭がクラクラしてしまいます。


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一時は盛り下がりが懸念されたIJTでしたが今年は国内のみならず世界30カ国の企業が参加、それぞれのお国柄が出たパビリオンを見て歩くのはIJTならではの楽しみの一つです。


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日本ジュエリー協会が選定する今年の「イヤーストーン」は「バイオレットカラーの宝石」とえらく大雑把、紫系の石なら何でもありで却って焦点が絞りきれない所為か会場全体では特に紫の石が多い印象は受けませんでした。
素材で面白かったのはアメシストの裏にコーティングして、ブラックライトや紫外線下で緑にカラーチェンジして見える石や、貴石の裏に真珠貝を張り合わせたダブレット(張り合わせ石)。
私は個人的には石に余計な加工をするのには反対ですが、こうした宝石としての価値以外の「遊び」の要素を求める顧客がいるという事実は興味深い事です。
他に印象に残った素材は翡翠とムーンストーン、特にイタリアブースでは、まったりとした半透明の質感の宝石を大胆に使ったデザインが眼を引きました。
ジュエリーのデザイン傾向としては、金属線やラインの流れを活かした繊細な印象のものが多く、耳もの周辺は去年に引き続き半貴石や地金のパーツを足らしたカスケードタイプのデザインが多く見られました。


硬い話はこれくらいにして、IJT名物?お馬鹿系ディスプレイを。
★ダイヤメレで埋め尽くされた「これってどーなの?」なデコ電
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★何故か松の枝にダイヤモンドが…
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石が売られているとついつい買っちゃうのが石好きの性。
というわけで今回も買っちゃいました↓




続きを読ム

2004/03/09//Tue.
エットレ・ソットサスの目がとらえた カルティエ宝飾デザイン

美が姿を現す時、ひとつの窓が開かれる。そこから美は、くっきりと輪郭を浮かび上がらせながら、静かな、何ともいえない光となって、遥か彼方から光り続ける。その光こそが、厳しくあいまいな真実を携えながらも、われわれの思考を加速させ、われわれに命を与え、そして歩み続けさせてくれる、ただ唯一の光なのである。ーエットレ・ソットサス


マエストロ・ソットサスは「文化の結晶」「神聖なもの」としての宝飾品を提示してみせてくれた。


京都醍醐寺の門を潜り霊宝堂の中に入ると、入り口のギャラリーに展示されている仏像に対峙する様に通路の壁にはカルティエの宝飾品を身に付けた王侯貴族や女優の写真に混じって、チベットやアフリカの装飾品を身に付けた人々の写真が展示されていた。
それはカルティエのデザインが様々な文化の要素を示すと同時に、宝飾が本来持つ個人を特化する力をも示している様にも思える。


ソットサスの展示は意外な程あっさりとしたものだった、漆黒の祭壇を思わせる飾り気の無い縦長の展示ブースは下に車輪が付き動かす事が出来る様になっている、余計な装飾も説明パネルさえも排除したシンプルな展示は見るものの眼を、ジュエリーにのみ集中させる事を意図しているのだろう。
ブースの脇にはそのジュエリーのデザイン画が巨大に引き延ばされた姿で電飾パネルとして展示されている、大きく引き延ばされたデザイン画はその絵が本来もっていた機能性から離れ、ひとつの絵画としてとして輝いているようだった。


この会場で素晴らしかったのは、醍醐寺の仏像と宝飾品が薄闇の中に対峙する瞬間だ。
何処か厨子を思わせる黒い展示ケースの中に、浮かび上がる宝石はかつてそれが身に付けられた位置にディスプレイされ、その宝石を身に付けた人の幻を浮かび上がらせているようだ。
絢爛たる宝石を身に付けた透明な人影が、静かな闇の中に佇む仏像にまっすぐに向かい合う、「西洋と東洋」「虚飾と虚無」など、この二つの象徴的なものから読み取るものは人に因って異なるだろう。
そしてその美しさが「見るものに畏敬の念を抱かせる」という意味で小さなジュエリーが仏像に決して引けを取らない存在感を持つ事をしめしてくれた。


薄暗闇の中順路を辿って行くと、カルティエが如何に多くの文化からそのモチーフを採っているか、デザインと機能を両立させるためどれだけの術を尽くして来たかが解る。
ヨーロッパの古典から、エジプトの装飾、中国の文様、北斎や若沖を思わせるモチーフまで、カルティエ風にアレンジされ貴重な宝石を使って表現されている(あの大阪名物ビリケンまでミステリークロックの上鎮座しているのだ)、そしてそれを身に付けた人々の個性や生前の嗜好、地位までもを想像させてくれる。
宝飾品に妥協の無い品質の素材と技術を注ぎ込み、小さな世界を作り上げたカルティエのデザイン力に改めて感服した。


ソットサスは展示するジュエリーを観客に驚きを与える様、計算して配置したと語ってるが、この迷路の様な展示を巡っていると、カルティエがそのジュエリーに込めた様々な文化の断片を拾い集めながらジュエリーを巡る「旅」をしてきたような不思議な感覚に襲われる。
その人の個性を表現するため特別な人々の為に作られた特別なジュエリーとソットサスの素晴らしい空間演出が,見事な調和を奏でる素晴らしく印象に残る展覧会だった。

われわれを救ってくれるものがあるとしたら、きっとそれは美にちがいない。ーエットレ・ソットサス


関連LINK
■醍醐寺霊宝堂の特別展ページ
http://www.daigoji.or.jp/info/cartier/index.html

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